良い睡眠/不眠症の改善

ストレスの多い昨今、良い睡眠をとって活力ある次の日を迎えたいものです。

ここでは、良い睡眠をとるためのいくつかの方法を紹介いたします。

◆つらい不眠状態

睡眠はとても大切な生理現象です。日中の活動は、睡眠の良し悪しに大きく影響を受けます。

眠れないことで、明日の活動が心配になり、眠れないことを自覚すること自体がストレスとなります。

持続的・継続的に眠れない状態・浅い眠りしかとれない状態が続き、日中にぼんやりしたり、集中できない・記憶の低下・注意力の低下・倦怠感・処理能力の低下・運転中に眠くなるなど日常の活動に支障をもたらす症状を不眠症といいます。

また、不眠症が続くとうつ病などの精神障害を引き起こす原因にもなります。うつ病は活動エネルギーの著しい低下なので、眠りという活動エネルギーの充填ができなくなると発症するリスクが高くなります。

◆睡眠は健康的活動の源

良い睡眠と健康的な活動はリンクしています。良い睡眠という次の日の準備があってこその次の日のエネルギッシュな活動であり、エネルギッシュな活動と精神的な充足感はその夜の良い睡眠をもたらすというプラスのループをもたらします。

エネルギッシュに活動的な一日を過ごせるために、良い睡眠をとりたいものです。

◆睡眠は朝から始まっている

睡眠にはメラトニンというホルモンが大きく関与しています。脳内にメラトニンが増えると良い睡眠を得やすくなります。メラトニンは午後10時頃分泌が始まり午前2時頃がピークになります。従って、この時間帯に沿った入眠の時間も大切になります。

ところでこのメラトニンはセロトニンというホルモンが変化して作られます。従って、眠る前までにセロトニンを作っておく必要があります。尚、セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、喜び・鎮静・鎮痛の作用があるといわれています。

「セロトニン」幸せホルモン→(変化)→「メラトニン」睡眠・体内リズム調整ホルモン

それでは、まずメラトニンの前駆体であるセロトニンを増やすことから考えてみましょう。


◆セロトニンを増やすリズム運動

セロトニンは日光に当たること・リズム運動をすることで体内合成が進みます。

従って、朝、日光に当たりながらウオーキングや軽いジョギングを行うことでセロトニンを増やすことができます。

ウオーキングやジョギングはセロトニンの他、快楽ホルモンといわれるベータエンドロフィンやドーパミンの分泌も促します。これらのホルモンは運動時間とも関係しています。

ウオーキング・ジョギング時間

 20分:ベータエンドロフィン・ドーパミン(快楽ホルモン)

 40分:セロトニン(幸せホルモン)

従って、運動は40分程度連続で行うことをお勧めします。

もちろん朝に限らず、日中や夜にウオーキングやジョギングを行っても効果があります。ウオーキングの場合、1秒に2歩のペースが理想的。脳の「縫腺核」という場所にあるペースメーカー細胞を刺激し、セロトニンがたっぷり分泌されます。

そのほか、

・ダンス

・太鼓をたたく

・ガムを噛む咀嚼運動 などもセロトニンを増やす運動になります。

◆座禅とセロトニン

また、普段無意識に行っている呼吸ですが、意識的に腹式呼吸や丹田呼吸をすることによってセロトニンを増やすことができます。座禅時の呼吸法(腹式呼吸や丹田呼吸)で、セロトニンが増えていることも実証されています。座禅は通常1ターム40~50分行われます。その間の腹式呼吸や丹田呼吸による横隔膜の上下運動がリズム運動となり、セロトニンの分泌を促しています。

 丹田呼吸とセロトニン

◆メラトニンの原材料はトリプトファン・ビタミンB6

メラトニンを体内で合成するには原材料となるアミノ酸であるトリプトファンが必要になります。トリプトファンは体内で合成することができず食物から摂取することが必要な必須アミノ酸の一つです。また、合成にはビタミンB6が必要になります。

 <トリプトファンの多い食べ物>

  大豆製品

  乳製品

  肉類

 <ビタミンB6の多い食べ物>